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ウェルカムボードの作成

Podea-01に加工エリアが大きなRシリーズが追加されました。将来的にCO2レーザーにもアップデートできるモデルです。

今回は大きくなった加工エリアを最大限活用しつつ、同時に色々な今どきの要素を絡めながら作例を作ってみました。
 

加工内容

使用機種:Podea-01R SE
使用素材:2.5㎜厚MDF サイズ:600x300


加工時間: 約5時間(彫刻約4時間 切断約1時間)
使用ソフトウエア SolidWroks(3Dデータ作成) CorelDRAW、PhotoShop(Beta) 、 Bing イメージクリエーター 

Podea-01 R SEでハロウィンウエルカムボードの作成

加工データの作成

今回は色々なツールを使用してデータを作ってみました。

立体的に作るために大まかな3DCADで大まかな形を作成

1枚板で立体的に作るためにリビングヒンジのデータを作成

ウエルカムボードの絵にするためにハロウィンをテーマにしてAI絵でキャラクタの作成

上記のデータを全てデザインデータに収めて加工ソフトウエアに転送。

さらに今回は試験的に制御ソフトウエアの方で自動的に点描が必要かを判断して点描データにするという処理を実装しました。

加工データの作成:曲げ部分とリビングヒンジ

基本の構成は3DCADで作りました。といってもリビングヒンジの曲げ加工部分の目安を作るだけですので

簡単な板を曲げただけのデータを展開して板状にしたデータを使用します。このR部分にリビングヒンジを作る場合

​どのぐらいの値が良いかもChatGPTに聞きながらCorelDRAWのデータ作成の準備をします。

ChatGPTに相談
3DCADで大まかな立体構造を作成

加工データの作成:AI絵の作成

Bing イメージクリエーターというEGEブラウザで文章を書くだけでびっくりするような絵を作ってくれるサービスで絵を作ってみました。本当に文章だけでここまで絵を作ってくれるという凄い時代ですね・・・。このデータを加工して使用します。

AIイメージクリエーターで素材を作成

加工データの合成:加工

CADのデータとキャラクタのデータをCorelDRAWに入れてキャラクタの絵を元に外側の輪郭線データを作成、リビングヒンジはChatGPTに教えて貰った2.5㎜ピッチぐらいの間隔で線データを作成して3DCADの線データと​合体させて

加工データの完成です。

加工データをCorelDRAWで合成

自動点描判断:自動最適化処理

この作例のため試験的に搭載した機能ですが、加工データ生成の途中で自動的に点描が望ましいデータを自動的に点描にする機能を実装してみました。カボチャや服、目の部分等のグレースケールの中間色部分が点の集合で表現されます。

点描の表現

目の部分の点描変換の例ですが従来は左側の絵のように黒く表現したい所に周辺の白い色に影響を受けて白い色が混じってしまい、特に輪郭部分等で加工結果がぼんやりするという問題点がありましたが、少し工夫をして点描にすると輪郭がぼやけてしまうのを最大限回避するような処理をしています。細い線でも黒い色で描かれていればはっきり表現できるようになっています。

点描処理の改善試行錯誤

加工とリビングヒンジの検証・組み立て

実際に加工を行いリビングヒンジ部分の検証も行います。

普通に折り曲げると破損してしまうMDF板もリビングヒンジ加工をすることで曲げに柔軟性が出ます。​AIにざっくりとした質問をしてざっくりとした回答を元にデータを作りましたが、まずまず良い感じの仕上がりになりました。

​この加工はRシリーズのほぼ最大サイズギリギリで作りましたがどのぐらいのサイズ感になるか分かるように、近くにあったニンテンドースイッチを横に並べてみました。卓上に置くにはちょうど良いサイズのウエルカムボードが出来ました。

リビングヒンジの性能検証
ウエルカムボードのサイズ感

作例と同時進行:開発の余談

加工エリアが大きくなったRシリーズですが、本作例を作成中に今までにない問題が出てきました。全加工エリアを点描対応すると一気にソフトウエアの負荷が高くなって現実的に使いづらい・使えない状態になったためです。

ハードウエア的にも加工時間が長時間化する事でレンズの汚れが蓄積して加工品質が低下するため急遽エアアシストノズルを設計して取り付けたり等、実はこの作例が完結するまでに複数の開発案件が同時進行し、気が付けば一か月かかってしまいました。

多くの問題を解決しながら開発も進むというなかなかハードな作例でしたが、結果的には良いソフトウエアの改善と

ハードウエアの改善対応が出来ました。

レーザーヘッドの選択

今回の作例はレーザーヘッドをSE(約6w)にするかDE(10W)にするか悩みましたが、結果的に彫刻と切断のバランスを考えると

SEが望ましい結果になりました。

切断だけを行う場合出力の大きなDEで行うのが望ましい状態ですが、切断がパワフルな反面ヘッド重量が重く出力の兼ね合いもあり彫刻の品質がどうしてもSEに比べ落ちてしまう傾向があります。

選択に悩んだ時は切断に特化するのかどうかで判断すると良いと思いますし、具体的な案件を事前にご相談いただければ適切と思われる選定のお手伝いをさせて頂きます。

試行錯誤とAIとレーザー加工

世の中AIで話題ですが具体的にどのように使っていくかは模索中ですが。

今回の試行錯誤の中にも多くのAIが活用されています。デザインの元絵を作るだけにとどまらず、どのようにすれば最適な点描になるかをAIと相談しながらソフトウエアの改善、全体のデータ処理のスピードアップしました。

(処理スピードは全体で5~10倍速になりました)

 

本ページの最後の1枚もAdobe PhotoshopのAIで背景を作ってもらって合成してみました。

レーザー加工に限らず世の中は色々な困難がありますが、その解決の一助にAIがやっと現実的に使えるレベルになってきたと思っています。

レーザー加工も(現時点では)AIも最終的には道具です。うまく使いこなしてより良い付加価値を付けて活用していきましょう。

AI背景にAIでのキャラクタ作成合成絵
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